31歳、会社を退職してフランスの大学院でMBAプログラムに私費で進学しているmiho(@miho24_s)です。
「海外の大学院に進学したい!」と20代後半から少しずつ思い浮かべていた頃、最初はMScを検討していたのですが、セミナーや説明会フェアに参加していくうちにMBAへと切り替えました。
また、社会人から学生に戻る際、ビジネス系に興味があるからといって全員がMBAがおすすめ!というわけではありません。
そこで今回は、フランス留学の際に調べた情報を元にビジネス系の大学院の種類について紹介したいと思います。
※国によって若干、制度などが違う可能性がありますので、ご自身が留学したい国の制度を調べることをおすすめします。
Master (修士号)の種類
Master’s degree(修士号)とは、学士号を取得した後、さらに専門的な知識やスキルを磨くために取得することができる学位で、一般的に学士号よりも高度な研究や専門知識が必要。
フランスの場合、一般的な学士を取得するのに必要な年数は3年、修士は2年必要です。
また、Masterと一口に言ってもたくさんの種類があります。
- MBA(Master of Business Administration)
ビジネス管理全般にわたる高度な知識やリーダーシップスキルを提供する修士号。
フランスの場合、最短で1年で取得でき、学校によって提供カリキュラム期間のバリエーションがあります。 - MiM(Master in Management)
初期段階のビジネス管理や経営キャリアを目指す学生向けの基礎的なビジネス教育を提供する修士号。 - MSc(Master of Science)
自然科学や工学分野での修士号。例えば、物理学、数学、化学、コンピューターサイエンス、工学などの分野で取得できます。 - MA(Master of Arts)
人文科学や芸術分野での修士号。例えば、文学、歴史、哲学、言語学、美術、演劇などの分野で取得が可能。 - MFA(Master of Fine Arts)
芸術分野での高度な専門教育を提供する修士号。例えば、美術、演劇、映画、音楽などの分野で取得。 - MSW(Master of Social Work)
社会福祉分野での修士号。社会的な問題に対処し、個人やコミュニティの支援を行うためのスキルを提供する。 - MPH(Master of Public Health)
公衆衛生学分野での修士号。健康促進や疾病予防などの公衆衛生に関する専門知識を提供。 - MEng(Master of Engineering)
工学分野での修士号。機械工学、電気工学、土木工学などの分野で取得可能。 - LLM(Master of Laws)
法学分野での修士号。法律に関する高度な知識やスキルを提供。 - MEd(Master of Education)
教育分野での修士号。教育の理論や実践に関する高度な知識やスキルを提供。
ビジネス関連のMasterに興味がある場合、MBA、MiM、MScが対象となります。
重複する授業内容はあるものの、教える対象が違っていたり、コンサルプロジェクトを実際のクライアントと行うプロジェクト型授業の割合が異なっていたりします。
MBA/ MiM/ MScの特徴
ここからはそれぞれのMasterの特徴についてご紹介します!
MBAとは?
MBA(Master of Business Administration)は、ビジネス管理全般にわたる知識やスキルを提供することを目的としています。
多くの場合、既に実務経験を持つプロフェッショナルが進行管理やリーダーシップのスキルを磨くために受講し、戦略的な思考や経営戦略の構築、財務、マーケティング、人事管理などの分野を包括的に学びます。なので、生徒は必ず全員、実務経験が少なくとも3年以上ある人たちしか入学することはできません。
1年などの短期集中型で詰め込むプログラムもあれば、アメリカのように2年でじっくり学ぶことができるプログラムもあります。フランスは短期集中型が多く、2年のプログラムを提供している学校は稀です。
各大学の特徴が授業によくあらわれ、進学しているAudenciaではサステナビリティの必須授業が豊富など、Techを多く盛り込んだり、起業家精神(Entrepreneurship)を養うことに注力しているスクールもあります。
そして、授業料は非常に高額で、優秀な学生を取るために、この授業料の一部はスクールのマーケティングとして使われます。マーケティング活動の結果はMBAのランキングに現れ、有名なFinancial Times MBA RankingやQS Global MBA Rankingsといった世界中の多くの機関やメディアによって定期的に発表されています。
MBAに進学する人の多くは、全く別のキャリアを歩みたい人や現地就職をするためにコネクション作りとしてなど、目的は様々ですが、「①自分 x ②住む場所 x ③職種」という変数を変えるためにMBAが機能することがよくあります。
MiMとは?
MiM(Master in Management)とは、特にビジネス管理や経営の分野における初期段階のキャリアを目指す学生を対象としています。一般的には、大学を卒業してすぐの学生や少ない実務経験を持つ学生が受講し、ビジネスの基礎的な理論や実践的なスキルを学びつつ、経営の基本的な概念やビジネス環境について理解を深めることを目指しています。
MBAとの違いは、主にビジネスマンとしての成熟度になります。MiMの生徒は社会人0~2年が対象です。学部卒業の方でも入学しやすく、かつ様々な分野を幅広く学ぶことができます。さらに学費が安いのも特徴です。
MiMについてもMBAと同様にランキングが存在していますが、アメリカではMiMは一般的ではなく、欧州が主流のMasterになっています。
MScとは?
MSc(Master of Science)とは、自然科学や工学、数学、コンピューターサイエンスなどの分野で提供される修士号です。
一般的には、理論的な学習と研究に焦点を当てており、学術的なスキルや専門知識を深めることを目指しています。
ビジネススクールが提供しているMScでは、MBAと似たようなコンサルプロジェクトがあったり、外部のクライアントとの共同プロジェクトがあったりしますが、基本的には座学が基本で、しっかりと知識を身につける勉強スタイルです。
MBA/ MiM/ MScのどれを選んだら良いの?
ビジネス系の3つのMasterを選ぶ際に私が感じた建て付けは以下のようになります。
・既に3年以上社会人経験があり、比較的アウトプットを重視とした勉強がしたい場合はMBA
・社会人経験が全くないか2年未満で、比較的アウトプットを重視とした勉強がしたい場合はMiM
・特定の専門分野を勉強するために、腰を据えて学校に通いたい人はMSc
ただ、正直いうと、MBAやMiMを取っていなくてもコンサルや外資系投資銀行への就職は可能ですし、MBAを取っていなくても現地就職は可能です。
通っているAudenciaのMBAは比較的安い学費で生活費などを合わせても1,000万円程度で収まりますが、フランスのトップ校は1,500万円以上、アメリカだと3,000万円ほどかかることが多いので、本当にここまでやる必要があるのかは、永遠の議論ポイントでもあります。
欧州では、MiMもかなり有名なので、ビジネス系をやりたい優秀な学生が志願する印象があります。また、コンサルやファイナンスなど、専門に特化したコースも用意されていたりするため、MBAと同じような経験をすることができる場合もあります。
私も悩みに悩みましたが、進学先のAudenciaの特徴であるサステナビリティに惹かれて入学を決意し、苦しみながらも楽しみながら毎日を過ごしています。
今はMBAを選んで良かったと思います!