2024年夏に会社を退職し、人生2度目のフランス留学を選択したmiho(@miho24_s)です。
学生の時と違って、様々な手続きが求められる社会人留学。やるべきことが全て網羅しているリストや情報サイトはなかなか見つからなかったりするもの。
私も様々なサイトやブログを閲覧して、自身でリストを作りながら準備を進めました!
そこで、会社を退職後に行う必要な手続きや準備が分かるように記事にまとめました。
目次
筆者のプロフィール
まずは筆者の背景を紹介したいと思います。
会社から派遣される留学生や仕事を辞めて時が経つ方などは若干、必要な手続きや準備が違ったりしますので、ご注意ください。
・2024年夏に会社を退職後、約1ヶ月後にフランスへ留学。
・住所などを実家に移すため、現住所から実家に引っ越しを行い、実家からフランスへ留学。
・留学期間は約1年の予定。
失業保険はもらえるまでに3ヶ月ほどかかります。退職後に4ヶ月以上、日本に滞在する予定がある社会人のみ対象になるため、申請をしていません。
退職後に行う必要な手続きリスト一覧
退職後に必要な手続きについて、リストにして並べてみました!
<優先度:高>
役所の公的手続き
- 引っ越しに伴う住所変更(住所変更をされる方のみ)
- 納税管理人の依頼(※お住まいによって手続きが違います)
- 健康保険証の切り替え
- 国民年金の切り替え
- iDeCoへの移行(企業型確定拠出年金の加入者のみ)
- 海外転出届けの提出(1年以上、海外に滞在する方のみ)
- 運転免許証の更新(海外滞在中に更新を迎える方のみ)
<優先度:中>
自身が必要とする手続き
- 海外対応の銀行口座への切り替え・不要な銀行口座の整理
- 海外対応の携帯キャリアへの変更
- 病院の受診
- 海外保険の加入
それではひとつひとつみていきましょう!
役所の公的手続き
退職後に絶対に実施しておかなければいけないのは「役所の公的手続き」です!
国民の義務なので、しっかりと手続きを済ませて海外留学に集中しましょう。
引っ越しに伴う住所変更(住所変更をされる方のみ)
退職後に実家に荷物を運び、数週間過ごしてから出国、という形なので住所変更が必要でした。
役所の手続きだけでなく、登録しているアプリやサービスの住所を全て忘れずに変更する必要があります。
特に「銀行口座」や「クレジットカード」は住所変更がとても重要!
前の住所に送られ受取人が不在となった場合、口座の凍結や利用停止などの処置がとられます。
郵便局の「転送サービス」を利用しても、1年間しか有効にならない他、転送サービスが適用されない郵便物もあるため、注意が必要です。
納税管理人の依頼
必ず、管轄の市税事務所に確認してください。
7月に退職&実家に引っ越しを行ったため、8月〜翌6月までの前住所の市民税を支払う必要があります。
前住所の市税担当に確認したところ、代理人を立てる申請をしてほしいとのことで、郵送にて申請を行いました。
残りの税金は両親に振り込んでもらう予定です。
<必要書類>
・記入した指定の申請書
・本人確認書類のコピー(免許証やマイナンバーカードなど)
・代理人の本人確認書類のコピー
→必須ではないものの、できれば送付してほしいとのことだったので、送付しました。
健康保険証の切り替え
日本は国民皆保険制度なので、退職後はすみやかに国民健康保険 / 任意継続保険 / 家族の扶養に入る、のいずれかを選択する必要があります。
一番お得なのは家族の扶養に入ること。なぜなら保険料がかからないからです。
私は家族の扶養に入ると手続きがめんどくさそうと思っていた&約1ヶ月ほどの加入を検討していたので、任意継続保険を選択しました。会社の担当部署とのやりとりだけだったので、非常にスムーズに切り替えができました。
基本、国民健康保険よりも任意継続保険の方が安い傾向があります。
留学から戻ってきて、就職まで少し時間が空く場合は、家族の扶養に入る予定です。
国民年金の切り替え
退職後14日以内に市役所で切り替え手続きが必要です。
離職票もしくは退職証明書、年金手帳、身分証明書と印鑑をもっていけば、役所の方が手続きしてくれます。
退職から14日以上過ぎていましたが、特に何も言われませんでした!
最新情報は年金事務所に問い合わせてから手続きを行いましょう。
iDeCoへの移行(企業型確定拠出年金の加入者のみ)
退職した会社が「企業型確定拠出年金」に加入していた場合、退職とともに個人型確定拠出年金へ移換する必要があります。
海外在住者であっても移換する必要があり、退職後の手続きとなります。
ただし、海外在住者、かつ国民年金を任意継続していない人は、資金運用はできず、年金の移換だけ実施することになります。
退職後6か月以内に移換しなければ国民年金基金連合会に資金が自動移換され、毎月保管料を支払わなければならないので注意が必要。
様々な金融機関の中で、丁寧に解説してくれ、移換が容易そうなSBI証券を選びました。
手続き方法としては、必要書類に記入し、本人確認書類とともに郵送するだけでした。
移換には2~3週間かかると説明があり、移換ができたのちに、登録した住所にIDとパスワードが送られてきます。
海外転出届けの提出(1年以上、海外に滞在する方のみ)
1年以上、海外に滞在することが決まっている方は海外転出届けを市役所に提出する必要があります。
基本は、出国日の14日前からの受付なのですが、1ヶ月前から受付してくれる市町村もあります。(私の市町村も1ヶ月前から受付可能でした!)
海外転出届を提出すると以下の権利が失効、及び選択する必要があります。
- 国民健康保険が解約となる
→私のように任意継続保険に入っていた場合は別途、手続きが必要になります。 - 住民税が免除となる
→住民税は前年度の収入に基づいて、毎年1月1日に住民票がある市区町村から課税されます。つまり、1月1日時点で海外転出届を出していて、日本の住民票を抜いている場合は、住民税の支払い義務がなくなります。 - 年金の加入義務がなくなる
→海外在住中も任意継続は可能です。ただ、今後もらえるかわからない上、ただでさえお金がない状態で留学する極貧学生の私にとって月々17,000円近くの出費はきつい…と思い、休止しました。 - 在外選挙制度を利用できる
海外転出届を出した場合には「在外選挙制度」を利用することができ、日本国外で選挙投票が可能です。
・国民年金の切り替え+2024年9月からの年金の休止手続き
・海外転出届
・マイナンバーカードの海外利用提出
事前に市役所で実施できることを確認し行いましたので、皆さんも事前確認しておくことをおすすめします。
番外編:マイナンバーカードを海外でも利用できます!
2024年5月から国外転出届を出す際に市町村で手続きを踏めば、国外転出後も使用できるようになりました!
国外転出前に国外転出者向けマイナンバーカードに切り替える方法
①国外転出届出時に、マイナンバーカード及び個人番号カード国外継続利用申請書を提出する
②市区町村が券面に「国外転出 ○年×月△日」と追記し、ICチップ内の住所の記録を変更する処理を行う
③市区町村が国外転出者向けの電子証明書を発行する
④返却された国外転出者向けマイナンバーカードは国外転出後も利用可能となる
手続きを行わないまま国外転出をすると、マイナンバーカードは国外転出予定日に失効しますので、ご注意ください。
運転免許証の更新(海外滞在中に更新を迎える方のみ)
免許証の更新期間は誕生日をはさんだ2か月間となっています。この期間内に更新を受けないと免許は失効しますので、注意が必要です。
海外滞在の予定があり、更新期間内に更新を受けることができない場合は、特例として更新期間前に更新を受けることができます。
海外転出届を出すことで、運転免許証が失効する!と思っている方も多いですが、警視庁のHPでは「一時滞在先を住所地として免許証の更新を行うことができる」と記載があり、日本に住所がなくても免許証は有効であることが分かります!(閲覧日:2024年8月20日)
海外に滞在中等外国に生活の本拠があり日本に住所を有しない方が、一時帰国した際に日本の免許証を更新する場合には、一時滞在先を住所地として免許証の更新を行うことができます。
警視庁のHPより、抜粋
自身が必要とする手続き
優先度を中としましたが、ご自身によって留学前に実施しておかなければならない項目は違うと思いますので、参考にしてくださいね。
海外対応の銀行口座への切り替え・不要な銀行口座の整理
使っていないのに開いていた銀行口座や会社の経費精算処理を行うためだけに持っていた銀行口座など、今後使うことがないと思われる銀行口座は解約しました。
非居住者でなくても銀行口座を持てるものは手続きを行いました。
銀行によってルールが違うので必ず問い合わせましょう。
私の周りでは「1~2年の一時滞在であるならば、解約しなくても良い」と言われた方もいました。
昨今ルールが厳しくなっていたりするため、必ず銀行毎に確認しておきましょう。
海外に行くにあたり、新たに2つ開設しました。
SMBC信託銀行プレスティア
MBA留学仲間から勧められて開設したプレスティア。
海外大学院留学サポートプログラムという口座維持費や海外送金手数料が無料など、とてもお得なプログラムもあったので、開設しました。
パンフレットに書いていたプログラム募集期間外に開設を行いましたが、問題なく適用いただきました。
入学許可証と本人確認書類が必要です。
窓口開設、もしくは郵送での開設の2種類あり、窓口開設だとその日のうちに口座開設できるので、番号を当日に知ることができます。
Wise
銀行口座ではなく、海外送金サービスですが、海外を旅する人などには絶大な信頼を得ているサービス。
wiseは初回送金時のみマイナンバーカードなどを使用して本人確認が必要なので、日本に滞在している間、一度試しておくことをお勧めまします。
最近は、Wise以外にはPaypalやRevolutなどのサービスがありますが、使いやすさなどを比べた結果、Wiseを選択しました。
海外対応の携帯キャリアへの変更
私はアプリの二段階認証を電話番号に設定しているところが多く、SMSが届かないのは困るので、日本の電話番号を維持したく、海外居住者が声を揃えておすすめしてくれた「povo」に切り替え。
海外にいてもSMSが無料で受信でき、かつ月額料金が無料なところが決め手。
(半年に1回ギガ購入が必要だが、それでも年500円以内におさまるのでとてもお得)
海外トッピングもできるので、到着後すぐSIM探しに翻弄しなくて良い&ネットが繋がるのはとても心強い!
病院の受診
出国までに眼科や歯医者などありとあらゆる病院を受診。
普段処方してもらっている薬などを、事情を話して少し多めにもらいました!
海外では歯医者の保険がカバーされていないことが多いので、どんなに忙しくても歯医者だけは行っておくのがおすすめ。
海外保険の加入
社会人留学で長期留学をする場合、海外の保険に加入することを強くおすすめします。
ちなみに「クレジットカードの海外保険でいいじゃん!」という話を聞きますが、私はおすすめしません。
理由は「補償期間が旅行期間開始から3ヵ月間となっている場合が多い」、「補償額が少ない」ことが挙げられます。
海外保険が高い!と思っている方は、現地保険の活用も考えてみてください。
手続きをしっかり行おう!
会社を退職し海外へ留学するみなさんが最低限やっておくべきことをまとめました。
この記事が少しでもお役に立てればと思います!