フランス・ナントにあるAudencia Business SchoolのMBAプログラムに通うmiho(@miho24_s)です。
フランスのビジネススクールといえば、HECやINSEADは知名度が抜群なのですが、その他のビジネススクールは知らないという日本人は多くいます。
今回は、HECやINSEAD以外のフランスのビジネススクールを紹介します。
2校以外にも魅力的なビジネススクールがいっぱいありますので、進学先の選定に活用くださいね!
紹介にあたり、Financial Timesで毎年発表されているEuropean Business School Rankings (今回は2023年度を参考)のデータを参考にしました。
目次
① ESCP Business School
フランスのビジネススクールではHECに続き2位にランクインするビジネススクール。
1819年にパリで設立された世界で最も古い歴史を持つと言われる由緒正しき学校。パリだけでなく、ロンドンやベルリン、マドリードなどにもキャンパスを持ち、6カ国で勉強することができます。
卒業生は元フランス首相のジャン=ピエール・ラファラン氏やエルメス代表取締役のパトリック・トマ氏などを輩出しています。
ESCPは以下を掲げて、6カ国のキャンパスから3つの場所を選び、ヨーロッパの多文化ビジネス教育を提供するプログラムとなっています。
E: Excellence (卓越性)
S: Singularity(特異性)
C: Creativity(創意性)
P: Plurality(多元性)
最短10ヶ月で履修可能。また、完全オンラインのみでコースを受講できるものもあります。
2つのコンサルティングプロジェクトを2カ国で行う実践的なプログラムやカルティエといった超有名企業のワークショップなどがあります。
学費はFull-time MBAで€57000(2024年現在、1€=165円で算出)と、学費だけで約1,000万円近くしますが、日本人も申請できる奨学金や助成金が豊富です。
【助成金】
- ダイバーシティ・功績助成金: €8000まで
- 優秀助成金: €9000まで
【奨学金】
- 女性リーダーシップ奨学金: €15000
- NGO・非営利奨学金 :€15000
- 起業家奨学金: €15000
- 社会貢献奨学金:€5000
詳細は学校のHPをご確認ください。
②Edhec Business School
Financial Timesでは3番目にランキングしている学校です。
リールで創立し、ニースとパリにキャンパスを構えている他、ロンドンとシンガポールに研究機関があります。
特に金融系に強いイメージがあるEdhecです。
卒業生には日本ロレアルのCEOを担当していたジェローム・ブリュア氏やフェンディやブルガリなど名だたるラグジュアリーブランドのCEOを務めてきたマイケル・バーク氏などを輩出しています。
一番の特徴は最短の10ヶ月でプログラムが終了することです。
また、GMAT/GREのスコアが振るわなくても、合格後に一定の基準を満たせば入学できるなど、柔軟な対応が魅力的です。
また、近年クラスメイトの偏りがいくつかの学校で問題になっていますが(インド人や中国人が多いなど)、Adminの方曰く、「バランスを考慮しながら選考をしている」と強く推しているのが印象的でした。
学費はFull-time MBAで€52,500(2024年現在、1€=165円で算出)と、約900万円ほどですが、奨学金制度を使用することで学費を抑えることができます。
詳細は学校のHPをご覧ください。
ESSEC Business School
フランス国内で第4位につけるビジネススクールです。
また、HEC ParisとESCPビジネススクールと並んで、フランスのビジネス系3大グランゼコール 「trois Parisiennes (3つのパリジェンヌ)」と言われる名門校です。
ESSECは、1907年に創立され、高級ブランド分野に特化したマネジメントやリーダーシップを学べることが特徴。卒業生もラグジュアリーブランドに就職する方が多い印象です。
また、ドイツの名門ビジネススクール、マンハイムビジネススクールと提携したExecutive MBAは非常に評価が高い印象です。
パリに2つ、シンガポールとモロッコにキャンパスがあります。卒業生にはユニリーバCEOだったパトリック・セスコー氏など著名な方々がいらっしゃいます。
2024年度から大きなカリキュラム変更が発表されています。
持続可能性、デジタル リーダーシップ、イノベーション&起業家精神から選択することができるプログラムとなっています。
学費はFull-time MBAで€50,000(2024年現在、1€=165円で算出)で約825万円とお得感があります。パリ郊外のキャンパスで寮もあるため、お値段を抑えて留学することが可能と思います。
詳細は学校のHPをご確認ください。
emlyon Business School
フランス国内出第5位につけているビジネススクールです。フランスの第3都市のリヨンにある学校で、リヨンの他、パリや上海、ムンバイにキャンパスを構えています。
emlyonの「EM」は「School of Management」を指しますが、「Early Maker」も指します。これは、反省と行動の間の絶え間ないつながりに基づいた学習の概念を提唱するこの施設の教育的特徴です。
2021年からはミッションカンパニーとして「組織をより公正で協力的で地球に優しい社会に効果的に変革する啓発された個人を生涯を通じて訓練し、サポートする 」ことを明言しています。
卒業生には実業家、兼政治家のアントワーヌ・アルベル氏やカルティエ元CEOのベルナール・フォルナス氏などがいます。
特徴は最新テクノロジーの活用とともに授業を受けられることです。
3Dプリンタやデジタルホワイトボードなど、他のフランスのビジネススクールよりも教育設備の充実に力を入れています。
11ヶ月、もしくは16ヶ月のコースを選択することができ、入学の2週間前から始まるフランス語とフランス文化を学ぶオプションコースは無料で選択することができます。
学費はInternational MBAで€43,500(2024年現在、1€=165円で算出)で約720万円です。公式に発表はしていないものの、学校から幾らかの奨学金が提供されているようです。
詳細は学校のHPをご確認ください。
Aundencia Business School
6位のINSEADに続き、7位にランクインする私の母校です!
フランス国内出6番目の都市、ナントに位置する学校で、2019年に「パリ人が住みたい街ランキング」で堂々の1位を獲得して以来、子育て世代を中心に移住してくる人が急増するほど、過ごしやすい環境にあります。
CSRやサステナビリティに力を入れる学校で、MBAプログラムには受講が必須であるサステナビリティ関連の授業がたくさんあります。
また、国連のグローバル コンパクトに初めて参加したフランスのビジネススクールで国連とのタイアップ授業があるほか、進路先として国連に就職する人も多くいます。
1年のコースで30人前後の少人数制なので、先生との距離も近くなります。
学費はInternational MBAで€31,500(2024年現在、1€=165円で算出)で約520万円と破格なお値段。
また、早期出願で最大40%の奨学金をもらえる他、様々な奨学金が用意されています。
詳細は学校のHPをご覧ください。
Kedge Business School
フランス国内のビジネススクールランキングで8位にランクインする学校です。
世界に名だたる極上ワインの産地であり世界遺産にも登録されているフランス南西部の中心都市ボルドー市にあるBEMマネジメントスクール(1874年設立)と美しい港で有名なマルセイユ市にあるユーロメッドマルセイルビジネススクール(1872年設立)が2013年に合併して誕生した比較的新しいビジネススクールです。
フランス国内に 4 つのキャンパス (パリ、ボルドー、マルセイユ、トゥーロン)の他、上海や蘇州、ダカール、アビジャンにもキャンパスがあります。
International MBAの場合、キャンパスはパリとなります。
土地柄か、サプライチェーンの授業が豊富です。また、独自のキャンパスもたくさん持っている他、世界中の300以上の学校とのネットワークがあるため、ダブルディグリーや短期留学を選ぶ生徒も多くいます。
学費はInternational MBAで€30,000(2024年現在、1€=165円で算出)で約495万円と他のどの学校に比べてお得なお値段です。奨学金は受験時と同時に申し込む必要があります。
詳細は学校のHPをご確認ください。
Grenoble Ecole de Management
フランス国内のランキングにおいて、9位にランクインするビジネス学校です。
科学技術都市のグルノーブルにキャンパスがある学校で、経済学や経営学で非常に高い評価を得ている学校です。
科学技術都市がゆえに、デジタル領域に関した授業に特徴があります。また、金融関連に特化した授業も豊富に用意されています。
卒業生も金融やIT関連、デジタルマーケティングxラグジュアリーブランドへ就職する人が多い印象です。
グルノーブルの他、パリにもキャンパスがあり、またドイツやアメリカ、中国など7カ国にキャンパスを構えています。
約1年のカリキュラム(9月〜6月の10ヶ月間、キャンパスのカリキュラムに参加後、リモートや勤務しながらでも提出可能な最終論文の提出)と一般的なカリキュラム内容です。
学費はInternational MBAで€36,000(2024年現在、1€=165円で算出)で約600万円となっています。
MBA受験者は、10%~30%の奨学金を得ることができます。
詳細は学校のHPをご確認ください。
Neoma Business School
10位に位置するフランス国内のビジネススクールです。
2013年にルーアンビジネススクールとランス経営大学院が合併し、新たにネオマビジネススクールとしてスタートした学校です。
パリ、ルーアン、ランスの3つにキャンパスがあり、学生だけでなく教授の50%がフランス以外の出身者という異色のビジネススクール。
カリキュラムの特徴はシャンパーニュ地方やブルターニュ地方に特化した企業への見学や意見交換など、地域に特化したプログラムを受けられることです。
残念ながらMBAプログラムは提供されていないものの、Executive MBAのコースが用意されています。
詳細は学校のHPをご確認ください。
様々な媒体から情報を収集しよう!
フランス・トップ10のビジネススクールを紹介しましたが、紹介しきれなかった学校以外にも特色があるビジネススクールがたくさんあります。
日本でスクールフェアを行うフランスのビジネススクールは一部なので(母校のAudenciaもここ数年、日本に来ていません)、ぜひ様々な媒体から情報を収集することをお勧めします!
他に2校、フランスのビジネススクールを受験しましたが、一番、奨学金を大盤振る舞いで出してくれました。